2008年2月 4日 (月)

『潤色の舌戯』 -図書館司書編- その21

 ちがうよ。それもボクのだ液だよ。そうじゃないんだ。
 違うの?
 そう。なんていうのかな、粘り気があって、指でかき混ぜると音がするんだけど、あの、自分でそういうことしたことないの?
 自分でそういうことって?
 だから、自分で指とか道具とかつかって、ココを刺激して……
 マスターベーションのことね。そんなことするわけないじゃない。
 ど、どうして?
 どうしてって、バカになるからに決まっているじゃない。そんなこと大学生にもなって知らないの?
 あのさぁ、それ、誰に教わったの? やっぱり家族からとか?
 ええ、祖父からだけど。脳ミソが溶解していって、最後にはスポンジ状になってしまって、廃人になるって。それに、もし肉体が必要だと感じたら、知らないうちに肉体のほうで勝手に処理してくれるから、自分で行うようなマスターベーションはいっさい必要ない。百害あって一利なしだって。
 なるほどね……
 なに? また違っているの?
 狂牛病の話が混じっているのはともかく、やっぱりすこし違うね。話がゴチャゴチャしちゃうから、あまり深くつっこまないけど、身体が勝手に処理するっていうの、それは男性の場合だけだと思うよ。
 女性の場合は? 同じ人間なのに、女性の場合は肉体がそうならないなんて、それはどうしてなの?
 さあ。そこまでのメカニズムはボクにもよくわからないけど、でも、結果だけっていうか、一般的にボクが見聞きしてきたことだけでいうと、女性の身体っていうのはそういうふうに反応しないようになってるみたいで、歳とってくるとどうかよくわかないけど、でも、若い女性はそういうこと口に出していうのはやっぱり恥ずかしいみたで、滅多にそういうこと他人に言ったりしないんだけど、でも、キミが指摘したとおり、同じ人間だから、やっぱりある程度の性欲は沸き起こってくるだろうし、内緒で対処してるんじゃないかな。多分、そうだと思うし、もし、そういう欲求が沸き起こってこなかったとしても、多少なりとも刺激を与えておいたほうがいい場所なんだよ。
 欲求がないのに刺激を与えておいたほうがいい……?
 そう。普通はありとあらゆる準備やプロセスが整って、そこではじめて男性のボッキしたコレを挿入っていうことになっていくんだけど、でも、キミがカイロ大で行ったのがいい例で、たまにだけど、準備不足のまま挿入に至ってしまうことがあったりするんだけど、その時、アソコが傷ついたりするのは得でもなんでもないことだから、それを防ぐためにも、普段から揉みほぐすっていうと表現がアレかもしれないけど、多少なりとも刺激を与えて、柔軟にしておかないと……
 一理も二里もあるわね。それで、マスターベーションをきちんと遂行するためにはどうしたらいいの?
 男性の場合はその手の類のDVDとかを観たりするんだけど、あの、想像で興奮することってある?

          (つづく)

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2008年2月 2日 (土)

『潤色の舌戯』 -図書館司書編- その20

 そ、そう。キミの場合は、緩めると表現したほうが適切かもしれないけど、とにかく、いまの状態のままだと、ぼくのコレの巨きさからいって簡単に挿入できないかもしれないし、仮になんとか挿入できたとしても、ア行の声なんてなかなか出て来ないどころか、ただ痛みを感じるだけだったりして……あの、カイロ大でドイツ人の男性としたとき、そういうことはしなかったの?
 全然。そのときもお互い挿入することだけが目的だったから。パパっと脱いで、いきなりズドンと……あ、挿入する際に狙いはよく定めていたみたいだったわ。
 狙いなんかどうでもいいんだけど、あのさぁ、愛はともかく、濡らすだけはしたほうがいいと思うよ。男のコレ、すこしは見てわかると思うけど、いちおう先は丸まっていて、それを受け入れる女性のアソコも柔らかい粘膜で出来ていているんだけど、それでも、女性のアソコがぜったい傷つかないっていう保証があるワケじゃないから。
 そうなの? あなたなんでも知っているのね。私、知識には自信があったつもりだけど、こう次々に教えられることばかりだと、ちょっと尊敬しちゃうわね。
 そ、そ、それほどでもないけど……
 それで、挿入時に女性の膣に傷つかないために必要とする、その濡らすための方法、その方法も知っているの?
 ま、まあね……
 そっ。それじゃあ、その濡らすとかっていうその行為、ちょっとやってみてくれない?
 じゃ、じゃあ、ベッドもソファーもなにもないから……、じゃ、じゃあ、そこに、デスクに腰掛けるようにしながら立って、それで脚を左右にちょっとだけ開いて……あ! そ、そんなに、そんなに大きく開かなくいいんだよ。
 だって、いま脚を開いてって……
 言った。確かにそう言ったけど、でも、べつにマット運動するわけでもなんでもないんだから、肩幅より少し広いぐらいで充分なんだよ。
 こうね。それで、どうするわけ?
 あの、あのぉ……
 なに?
 ホントに……、ホントに……いいの?
 いいって、なにが?
 身体を使って濡らすとえば、口を、正確にいえば舌をつかって相手の身体を濡らすしかないわけで……、キミとボクはきょう会ったばかりの……
 ほかに、ほかに濡らす方法があるの?
 な、なに……
 じゃあ、やって。
 はい……
 眼は? 眼は閉じていたほうがいいの? それとも開けたまま?
 出来れば……、閉じていたくれたほうが……、ボクのほうも気持ちが休まって……
 こうね。
 じゃ、じゃあ……、ボクがキミの身体の前に片ヒザをついて、し、し、舌で……こういうふうに…………
 …………
 さらに舌をタテにしてこんなことも…………
 ……………
 ……ど、どう……かな? 舌でキミの敏感な場所の入り口部分をナ、ナメて……みたんだけど、なんか変化とか……あったかな? 
 べつに、これといって普通と変わらない感覚だけど。それより、そっちはどうなの? あなたがいう濡れたとかっていう状態になったの?
 う~ん。まだ、ダメみたい。
 ダメ? でも濡れているじゃない。
 これはボクのだ液だよ。舌でナメたときの。
 ふ~ん。あなたの唾液で濡らしただけじゃダメなの。それじゃあ、どうしたらその濡れたっていう状態になれるわけ?
 普通は、相手の男性にこういう、女性の敏感な場所の入り口や奥に舌を這わせたりすると、女性の肉体が、正確にいえば膣の奥から分泌するようにして濡れてくるもんなんだ。
 奥って、ここ?
 あっ、そんなにいっぺんに指を奥まで挿れなくていいんだよ。半分も挿れれば充分……
 膣の奥、濡れているわ。ほら。ベトベトしているわ。

          (つづく)

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2008年1月29日 (火)

『潤色の舌戯』 -図書館司書編- その19

 そっ、そっ、挿入って……、どっ、どっ、どうして……そういう話の流れに……
 簡単じゃない。いままで私はカイロ大に通っていたときのあの体験で、男女の生殖行為をすべからく体験しきったと信じて疑っていなかったんだけど、でも、たまたま知り合った現役大学生のあなたの説明を聞き、それを照らし合わせて再考してみると、私が行ったあの体験は、ただ勃起した陰茎を膣内に挿入しただけの、前後の抜け落ちた不充分な行為だったという結論に達し、私とすれば、いちどは身を持って体験すると決意したわけだから完遂してみたいんだけど、その場合、私の周囲を見渡してみて、生殖行為が何事であるかをしっかりと把握しきっていて、かつまた、過去に実践を行い、望むべき結果まで出してる、いわば適任だと思われる人物はあなたをおいて他にはいないから、それで、あなたにお願いしていのよ。理解できて?
 り、理解、できちゃいましたけど……、で、で、でもぉ……
 なに? まだ説明が足りなくって? もっとする?
 い、いや、そ、そうじゃなくって……、な、な、なんていうかそのぉ……、えっと……
 説明を求めているわけじゃないとすると、なに? 私が相手じゃあ、不足があるっていうの? もっとおっぱいが巨きいほうがいいの?
 いやいや、そ、そ、それいじょう巨きいオッパイだなんて……
 それじゃあ、なに? 音楽でも必要? 放送大学にしか選曲できないよう絞ってしまっているけど。
 いや、そういうのはかえって臨界点を遠ざけることにつながりかねないっていうか、なんていうかぁ……
 じゃあ、なに? はっきりいいなさいよ。
 じゃ、じゃあ……、ハッキリいうけど……、なんていうか、ここは一応、いや、キチンとした、誰がどう見ても図書館なわけだから、だから、ベッドとかソファーと、そういものがなにひとつなくって……、だとすると……
 そんなもの必要ないじゃない。
 必要ない? ど、どうして……
 だって、勃起した陰茎を膣の中にただ挿入するだけなのよ。それなのに、どうしてベッドが必要になってくるの?
 そ、そういわれるとまたまた返す言葉が……
 理解出来たのなら、挿入してみて。さあ。
 さあって、い、いきなり?
 いきなりって、なに?
 あの、普通、はじめにキッスしたりとか、お、お、おっぱいを揉んだりとかして……
 どうしてそんなことするの?
 だって、生殖行為っていうのは、あ、愛し合ってる男女がするわけだから、ふつうは事前にそういう……
 愛なんて必要ないじゃない。夫婦でもないんだから。
 夫婦?
 そうよ。この世で愛が必要なのは夫婦だけであって、私とあなたは夫婦でもなんでもないわけだし、加えて、私が求めているのはただ勃起した陰茎を膣内に挿入する、単なる生殖行為の体験にすぎないんだから、なおさら余計にそんなもの必要でもなんでもないわ。
 だ、だ、だとしても、あ、あ、アソコを濡らすぐらいは……しておいたほうが……
 アソコを濡らす? アソコって膣のこと?

          (つづく)

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2008年1月26日 (土)

『潤色の舌戯』 -図書館司書編- その18

 ええ。中学を卒業して、とりたてて通学なんかの必要はないと思われたから、だから、通信制の高校に入学して、送られてくるカリキュラムを自宅でこなしていたんだけど、そうしたら、祖父がお前の学力なら高校なんか通わなくっても大学ぐらい軽く入学できるはずだって言い出して、一応、父は止めたんだけど、何事もやってみなきゃわからん、なさぬうちに弱音を吐くなど、それこそ敗者の証だって祖父がいって、それで、海外の大学に片っ端から、祖父の直筆の手紙をそえた願書を送ってみたんだけど、そうしたら、どういう審査が行われたかよく知らないけど、十六歳になったばかりだったけどいくつかの大学が入学を許可してきて、それで、そのうちのどれかに入学することになったんだけど、私、個人的に世界史、とくに西洋史に興を感じていて、可能ならその西洋史に関係するかもしれない発掘調査なんかにも参加してみたいと小さい頃から思っていたから、だから、そのうちのひとつのカイロ大を選んで、九月からそっちの大学に通うことになったのよ。
 ……………
 なに? ちゃんと最後まで通って卒業しきったし、授業と授業のあいまに、フランスの大学の発掘調査隊にまじって、ファラオのお墓の調査作業にも参加したのよ。
 いやいや、そうじゃなくって……
 そうじゃないって、それだったらなに?
 あの、歴史ロマンの香のする話に水を差すようで悪いかもしれないけど、あの、その話の流れからいくとだね、キミが勃起した陰茎を根もとまで挿入してってお願いした相手って、日本人じゃなくて、エイジプとの地元のひとっていうことに……
 違うわ。ドイツ人よ。
 ド、ドイツ人っ!? な、なんでそうなるの?
 簡単よ。私と同じような留学生で、どういう経歴をたどったひとかよく知らないけど、身長が195もある、クラスいちばんの大男よ。
 クラスいちばんの大男……
 そっ。どうせ経験するなら陰茎が巨きいほうがよりはっきり生殖行為がどんなものかわかるんじゃないかと思っていて、さあ、どの男性に声をかけようかしらっていう段階になったとき、私の勝手な推測だけど、そのひといち倍巨きな陰茎の持ち主は、恐らく体型に比例するんじゃないかって考えて、それでクラスメートのなかでいちばん背の高かった彼に声をかけてみたんだけど、陰茎の巨きさはともかく、さっきのあなたがしてくれた解説からすると、私も彼も、お互い勉強不足だったみたいね、前も後もなくって。
 そ、そう……みたいだね……
 ねえ、もういちど訊くけど、あなた、本当にその臨界点に達する方法を知っているの?
 い、一応ね……
 実践したことは?
 もちろん、あ、あるよ……
 そのときの相手の反応は? あなたのいう、ア行の声は出たの?
 ま、まあ、そ、それも出た……よ……
 ふ~~ん……
 な、なに? ヘ、変なこといった……かな?
 あなた、この後の予定は?
 よ、予定?
 この後、大学の講義はあるの?
 いま夏休み中だよ。八月だから。
 そうだったわね。じゃあ、アルバイトとかの予定はどうなの?
 それもきょうは……ないけどぉ……
 じゃあ、タップリ時間はあるっていうことね?
 あるといえばあるけど……えっ!? ひょ、ひょっとしてッ!?
 そっ。そのひょっとしてよ。悪いけど、その天を仰ぐように勃起している陰茎、私の膣のなかに挿入してみてくれない? もちろん、その前後に必要だとかいう行為もセットでね。

          (つづく)

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2008年1月23日 (水)

『潤色の舌戯』 -図書館司書編- その17

 ちがうよ。キミっていう女性全体のことだよ。性格とか思考とか、そういったありとあらゆるものを込みにした、キミ全体のこと。
 私全体? なんだかよくわからないけど、それじゃあ、城壁と臨界点の接点は? どうして、温度に関する臨界点なんていうものが飛び出してくるの? 対峙する相手が城壁だとすれば、ぶち壊すとか、昇っていくとか、そういう表現のほうが相応しいんじゃなくって? それとも、普段はしなびてダラ~ンとしているものが、血液が注入することによって一気に膨れ上がるから、それで熱膨張の理論と結びついてくるっていうことの?
 だから、臨界点とか城壁っていうのは、説明する上での比喩にすぎなくって、あくまでキミの肉体と人間性が対象なんだけど、まあ、男女が生殖行為に及ぶときは、ただボッキした陰茎を女性のアレのなかに納めれば、それでことが済むっていう、そんな簡単なことじゃなくって、その前とか後に付随するものがアレコレとあって、とくに前、事前の準備が必要不可欠極まりないものであって、それをよ~くやっておかないと、女性の肉体、とくに膣が準備不足のまま陰茎を向かえ入れることになって、その後の反応にも大きく影響してくっていうことだよ。
 ふ~ん。わかったようなわからないような解説だけど、要は、沸騰させるためには充分にアルコールランプで熱しないとダメっていうこと? それに似た準備を、女性の側の肉体に施してからじゃないと、勃起した陰茎を挿入しても、男が勝ったって思ったりしないし、いまもってよく理解できないんだけど、女性のほうも、そのア行の音とかいうものが口を突いて出たりしないっていうこと?
 そうそう。百点満点。そういうことだよ。
 ふ~ん。ただいきなり挿入するだけじゃなく、事前にそういうこともするべきだったのね。勉強不足だったけど、あなた、一体どこの大学の学生さん? 日本の大学って、そういうことまで教えてくれるの?
 日本の大学でって、えっ、なに? どういうこと?
 なに? また私不勉強なこといったかしら?
 い、いや、そうじゃなくって、なんていうか、う~ん……、少なくとも大学生じゃなくっても、高校生でも中学生でも知ってることだけど……
 そうなの? 私の周囲ではそうでもなかったみたいだけど。
 あの、あのさぁ、学校、どこ行ってたの?
 最終学歴はカイロ大よ。
 カイロ大っ!? カ、カ、カイロって……
 エイジプトの首都だけど。
 そんなのキミに教わらなくても知ってるけど、あの、カイロに、アフリカに留学してたの?
 ええ。16歳のときからね。
 こ、高校生のときからッ!?

          (つづく)

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2008年1月21日 (月)

『潤色の舌戯』 -図書館司書編- その16

 さあ。私は、男性の陰茎が勃起しきった時どれくらいの巨きさまで膨張するのが普通なのか、その平均的なサイズを知らないから正確には答えられないんだけど、あなたのソレと同じくらい、いえ、太さは同じくらいだと思うけど、長さだったらその男性のほうが1インチくらい長かったかもしれないわね。
 インチ? どうしてそこでインチ表示になるかよく理解できないけど、でも、さっきキミはボクのココを見て、立派とか雄々しいとかって評価してくれて、その評価からいえば、ボクのココは、少なくともキミにとっては合格してるアレなわけで、そのボクと同じぐらいの太さがあって、なおかつ、少しだけボクのより長いアレとなれば、お粗末なモノじゃないどころか、キミにとっては100点や120点つけてもいいような、そんな部類にはいるアレだと思うんだけど、あの、なんていうか、そこそこ立派なモノをそのぉ……、女性のいちばん敏感な部分に挿入されて、そ、すこしは……感じちゃったりしなかったの……? 挿入されてるっていう……
 もちろんその感覚はあったわ。旧くなって、本来のしなやかさを失ったような太目のホースが自分の身内に挿入されたっていう感覚は。でも、それ以上でもそれ以下でもなかったわ。
 あのっ、声とか、声とかは出なかったの?
 声? どんな声? ドミソ~っとか?
 ちがうよ。そんな発声練習みたいなキチンとした声じゃなくって、例えば……、例えば、ア行の声とか……
 ア行の声? 何のこと言っているの? 膣のなかに勃起した陰茎を挿入しただけなのに、どうして”あいうえお”なんていう言葉が口をついて出てくるの?
 普通、そういう言葉というか、ため息というか、そういうもんが、勃起した陰茎を女性の繊細な亀裂の奥に挿入し、その繊細な部分を、き、亀頭とかの硬くとがったモノで引っ掻いたりするように前後すれば、な、なんていうかぁ……、ア行に近い音が女性の口から出てきたりするもんなんだけどぉ……
 ふ~ん、そういうものなの。
 あ、あ、あのぉ、この際だから訊いちゃうけど……、勃起した陰茎を挿入してもらった後は、その後はどうなったの?
 狂ったように腰を動かした後、私の背中に射精したわ。
 そ、そ、それだけ?
 ええ。それだけよ。挿入して、腰を振って、射精して。それだけだっただけど、なにか欠けているものでもある?
 キ、キミはどうだったの……?
 私? なんのこと? 私は、相手が挿入しやすいようにと思って、だたジッとしていただけど。
 こ、声は?
 ドミソのこと?
 そうじゃなくって、ア行の音のことだよ。
 そんなもの口をついて出てこなかったわ。私は来週末に提出する予定のレポートがまったく進んでいなくって、どうしたらそのレポートをこなせるかって、ただそれだけを考えていただけだけど。
 じゃあ、ジッとしていたのはこのダイナミックな、でも、見事なまでの均整のとれたプロポーションの肉体だけジッとしてたんじゃなく、同じように口のほうもジッと……
 ええ。そうだけど。
 時間は?
 勃起した陰茎を亀裂に挿入してから、その陰茎を膣から慌てて抜き取って私の背中に射精するまでの時間? それだったらものの二分とかからなかったと思うけど、あ、そうそう。私とすればただ膣のなかに勃起しきった陰茎を挿入することだけが目的だったから、射精の部分が余計だとさえ考えているんだけど、射精しおえた直後に息を荒げながら、相手の男性がキミには負けたって私に向っていったんだけど、あれはどういう意味なのかしら?
 なるほどね。
 あなた、その言葉の意味がわかるの?
 ボクも一応は男だからね。
 どういう意味? いまだによく理解できなくって悩んだりすることがあるんだけど、もしよかった教えてくれない? ハニー、キミには負けたよって、アレにはどういう意味が込められていたの?
 意味が込められていたっていうほどのことじゃなく、なんていうかなぁ、う~ん……、臨界点に達するまでの準備が不足していて、それで自分が望むような結果にならなくって、でも、準備をするためにはあまりにもキミっていう城壁が強固なものだから、それで思わず負けたっていう、その言葉につながっていったんだと思うけど……
 城壁って、処女膜のこと?

          (つづく)

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2008年1月18日 (金)

『潤色の舌戯』 -図書館司書編- その15

 い、一度も出来たことないって、ええっ!? だ、だ、だって……、さっき自分は処女じゃないって……、さっきそう断言したじゃない。だとするとアレは……
 してみただけよ。
 してみただけ?
 そっ。男と女が行う生殖行為っていうのは、それは一体どんなものなんだろうと思って、ちょっと試してみただけよ。
 あ、あ、相手はどうやって……見つけたの?
 自分のほうから声をかけたのよ。下着の奥に隠された私の未使用の亀裂に、あなたの勃起した陰茎を根元までネジ込んでみてくれないかしらって。
 ネジ込んでって……
 あら? ネジ込んでじゃなく、ブチ込んでだったかしら? 下着の奥に隠された私の未使用の、でも周囲にあなたと同じようにボーボーに毛の生えた亀裂に、あなたの勃起した陰茎の根元の根元、互いの陰毛が合わさって絡まり合うぐらい、それくらいまで深く、私の亀裂にあなたの陰茎をブチ込んでみてくれないかしら、だったかしら?
 そこまで正確に思い出そうとしなくていいよ……
 でも、そういうことを言ったのよ。
 女性のほうから……そんなハッキリと……?
 でも、そういうことでしょう? 男女が行う生殖行為って。
 そ、そ、それはそうだけど……、で、あの、そのものズバリの誘いの言葉を受けた相手の反応は……、それはどんなふうだったの?
 いまのあなた以上にとてもビックリしていたわ。だって、それまではただのクラスメートの内のひとりにすぎなかったし、ランチだった、キャンパス内でするランチだけど、それだって数えるきりしか一緒にしたことがなかったから、だから、本気の本気でオレにそういうこといっているのかって、もう、しつっこいくらい何度も確認されたわ。
 そ、それはそうだよ。いきなりクラスメートに、それも特別親しいっていうわけでもないクラスメートに、いきなりそんな、き、亀裂に勃起した陰茎をブチ込んでなんて、そんなこと言われれば……
 やっぱり? だから、その男性の前でスカートをまくって、ほら、私は本気の本気よって、下着をつけていないところを見せたてあげたの。
 ど、どうしてノーパンなんかで……
 だって、どうせその後、生殖行為に及ぶことになるんだから、そうなればなにもかも脱ぐのよ。だとしたら、そんなもの必要ないじゃない。それどころか、こっちが洋服を脱ぎきる前に生殖行為がはじまってしまって下着でも汚されたら、それこそたまったもんじゃないわ。それより、下着なしで出かけて行って、帰りにカバンのなかに準備してあった清潔な下着をつけ帰って来たほうが、むしろそれのほうが合理的なんじゃなくって?
 キミの言葉を借りれば、一理ある、だね。で、どうだったの? その、なんていうか、せ、生殖行為を……行ってみて……
 全然よ。
 ゼンゼン?
 まったくよ。
 まったく? あの、いってる意味が……よく理解できなくて……
 私の希望したとおり、勃起しきった男性の陰茎を膣のなかに根元まで納めてもらったけど、でも、なんともなかったっていう意味よ。
 あの、その、キミが声をかけて生殖行為に及んだっていうその相手のアレ、ど、ど、どれぐらいの巨きさっだったの?

          (つづく)

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